MUTEK.JP - 電子音楽 × デジタルアートの祭典『MUTEK』

ALTERNATIVE MACHINE

ALTERNATIVE MACHINE

- Japan

ALife研究者集団オルタナティヴ・マシン社が、「音のニッチ仮説」に基づきその場の音環境に適応しリアルタイムにサウンドスケープを生成する試作機「ANH-00」を初公開
 
展示会期:12月11日(水)〜12月13日(金)の3日間
展示場所:渋谷ストリームホール5F
 
音のニッチ仮説
 
豊かな自然環境では、哺乳類や鳥類、昆虫類の鳴き声はそれぞれ時間、空間、周波数において独自の位置を占めるという「音のニッチ仮説(The Acoustic Niche Hypothesis)」が提唱されている。ニッチとは、ある生物種が生息する環境で環境要因や生活資源の棲み分けが行われる生物学の概念を指す。つまり、野生生物にとって、発音・発声によるコミュニケーションを効率よく行うために進化した結果、ある地域の環境や時間帯における音のニッチの棲み分けが生じていると考えられる。
 
自然環境や多様な生物が存在しない都市部においては、自然界が作り出す人間の可聴域上限を超える音を含めた音の周波数帯域が大幅に欠落し、元来自然で暮らしていた人類に生理的・心理的に影響を与えているとも言われている。
 
遺伝的アルゴリズムを応用したリアルタイムサウンドスケープ生成装置「ANH-00」
 
試作機「ANH-00」は、自律的に、設置された環境の音を集音し環境の周波数帯域の空きが自然と埋まるような新たな音を生成、可聴域を超えた音も含む多様な音を複数のスピーカーから複雑なタイミングで出力する。自然音を録音し再生するだけのシステムでは実現しえない、その場の音環境に適応した自然環境のような豊かなサウンドスケープをリアルタイムに生み出す。
 
生物進化の仕組みに着想を得て発明された遺伝的アルゴリズムを使い、音を聞き発声するALifeエージェントが音によるコミュケーションを獲得するように進化の仕組みを設計。その進化の結果として、多数の種による音のコミュニケーションを可能にするように、音のニッチの棲み分けが自然と生じる。アンドロイド「Alter 3」にも搭載される生命表現を生み出すオルタナティヴ・マシン社製ダイナミクスエンジン「ALIFE Engine™」を使用して、発話タイミングや発話パターンを作り出している。複数のALifeエージェント同士のコミュケーションと音環境との相互作用が作り出す現象が、このシステムが作り出すサウンドスケープの構成要素となる。
 
オルタナティヴ・マシン社の試作機「ANH-00」は、都市空間における新たな音環境のあり方を提示するとともに、生命の生きようとする純粋な行為の集合が美しい音を作り出す、ある意味、生態系を楽器と捉えた作品とも言える。
 
開発者クレジット
ディレクター:青木竜太
ソフトウェア設計・開発:升森敦士、土井樹
ハードウェア設計・開発:ジョン・スミス
本試作機は、一般社団法人ALIFE Lab.と株式会社電通国際情報サービス(ISID)のALife研究の社会応用に向けた共同研究プロジェクト「集団の形成メカニズムの分析と介入法の実証する」の一環として開発しています。
 
ALTERNATIVE MACHINE Inc.
 
⾃律性、進化、意識など、あらゆる⽣命現象の原理を探求する「⼈⼯⽣命(ALife)」研究分野がある。オルタナティヴ・マシン社は、ALife研究から⽣まれた理論や情報技術の社会応⽤に挑戦する研究者集団。「あらゆるものに⽣命性をインストールする」というミッションのもと、最適化や効率化の追求を目的としたテクノロジーのあり⽅ではなく、愛情や親しみ、存在感など⽣命的な新たなテクノロジーのあり⽅を探求している。国内外のALife研究者とパートナーを組む世界で唯⼀のALifeに特化したテクノロジー企業。
現在、多数の企業との共同研究プロジェクトの他、ゆらぎなど生命表現を作り出すダイナミクス⽣成エンジン「ALIFE Engine™」の開発に注⼒している。ALife研究者の池上⾼志、ウェブサイエンス研究者の岡瑞起、コンセプトデザイナー/社会彫刻家の⻘⽊⻯太によって2017年6⽉に起業。

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