MUTEK.JP - 電子音楽 × デジタルアートの祭典『MUTEK』

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MUTEK.JP Edition 4 – レポート

第4回目の開催となったMUTEK.JP2019では、オーディオビジュアルアートの体験、音の探究、新しい学び、出会い、新たなコミュニティーの創出、様々なコンテンツが体感できる内容を提供することができました。2020年を迎え、MUTEK.JPによるレポートをこちらにご紹介します。

ホームカミング:渋谷に帰還

今年は、2016年MUTEK.JPがスタートした所縁の街”渋谷”に帰還しました。我々には、思い出の場所であり、大きな意味を持つ街で、東京のクリエイティブとテクノロジーの中心、文化を発信する渋谷でのフェスティバル開催は、大きなチャレンジであり且つ多くの期待が高まる形となりました。街の風景が最も大きく変化する渋谷は、多種多様なエネルギーが集まることで多くの発想が生まれ、 あらゆる挑戦を受け入れる寛容性の高さから、 渋谷は感度の高い街として、アジアにおけるテクノロジカルでクリエイティブファームの中心地と言えるでしょう。

今回MUTEK.JP2019では、渋谷カルチャーの継承と発信の場として、次世代のエンターテインメントを創造するホール”LINE CUBE SHIBUYA”を使用し、初の試みであるシアターにて、オーディオビジュアルライブA/VISIONSを2日間に渡り開催しました。MUTEKの代表的なプログラム「Nocturne」は、渋谷ストリームホールを拠点に3日間開催し、週末はLiquidroom にてオールナイトイベントを展開。

また渋谷EDGEofでは、トーク、ネットワーキングの機会を創出する場を提供。UltraSuperNew Galleryでは、アーティストYoshi SodeokaとSabrina Rattéによるアート作品展示。また、イノベーションを促進していくための場”Shibuya QWS”(渋谷キューズ)を使用し、TouchDesignerによる無料のワークショップを提供。加えて、ケベック州政府の新鋭クリエイティブ産業を紹介するショーケース「This is Québec」を渋谷ヒカリエホール にて展開し、多種多様なプログラムを開催しました。

MUTEK.JP Edition 4 考察

MUTEK.JP edition 4では、全5日間、渋谷の中心に位置する7会場を使用し、25以上に及ぶ様々なプログラムを提供。国内外のアーティスト55名が一同に集結し様々なパフォーマンス、作品を披露しました。

未知なオーディオビジュアル体験

渋谷ストリームホールとLINE CUBE SHIBUYAの2つのメインホールは、会場の特性をフルに活かし、MUTEKの提唱するサウンドアートとビジュアルアートが交差する最適な場となりました。

渋谷ストリームホールでは、巨大なスクリーンと高品質のプロジェクターを活用し、新しいオーディオビジュアルアートの体験の場として、Daito Manabe&Kamitani Labによるコラボレーション「dissonant imaginary」、Ken Furudateによる正弦波パフォーマンス、Akiko NakayamaによるAlive Painting 、カナダのアーティストPush 1 Stop & WiklowとMyriam Bleauによる日本初お披露目の作品など、多くのオーディエンスが出演者のパフォオーマンスに魅了されました。

LINE CUBE SHIBUYAでは、シアター形式で鑑賞できる、Rhizomatiks Research x ELEVENPLAY x Kyle McDonaldによるダンスパフォーマンス作品 「discrete figures」を披露。また、黒川良一による「subassemblies」を日本初披露。AVISIONS2では、Falaises、Hiroaki UmedaそしてRobert Henke3組による、オーディオビジュアル・パフォーマンスを披露し、レーザーとプロジェクション投影による視覚的効果で未知の知覚体験をもたらしました。

コラボレーション:馴染みのもの、新しいものの探求

MUTEKの特徴は、ローカルに国際レベルまで、目新しいコラボレーションに焦点を当てていることです。Edition 4では、音楽プロデューサーのSakura Tsuruta & ARアーティストasagi、盆栽マスターのMasashi Hirao &ライブミュージシャンsaskiatokyoなどの新鋭アーティストとのコラボレーションを実現。また、Intercity-Expressと、カナダのビジュアルアーティストPush 1 stopとは、国境を超えた新たなコラボレーションが生まれました。

また、イギリスのビートメーカー Kode9と日本のアニメーター森本晃司、Kuniyuki × Soichi Terada × Sauce81のグルーヴトリオ、Dasha RushとLars HemmerlingによるコンビLADA、ビデオゲームミュージック業界では名の知れたYuzo Koshiro & Motohiro Kawashimaなど、ベテランアーティストによるユニークなコラボレーションも行われました。

さらに今回のフェスティバルでは、MUTEKの本拠地であるケベック州とMUTEK.JPとのコラボレーションイベント「This is Québec」ショーケースをケベック州政府と共同開催を実現。

実験のためのスペース

MUTEK.JP2019では、新たな試みにチャレンジするための学習コンテンツやスペースを提供してます。MUTEKでは、アート、音楽、科学、テクノロジーが交差する、イノベイティブで確立されたプラットフォームをアーティストに提供すると同時に、日本及び海外の次世代の新たな才能の発掘、育成支援する活動を行なってます。

MUTEK.JPが提供する実験的でイノベイティブなプラットフォームは、アーティストのみならずオーディエンスが参加することもでき、今回のフェスティバルでは、様々な形で実施し、前述でも触れたSakura Tsuruta & asagi、Intercity-Express & Push 1 stop、「Nocturne」でのÖspielによるオープニングパフォーマンス、AI Lab、直前にコラボレーションが決定したMasashi Hirao & saskiatokyo、Japan Media Arts Festival受賞者Norimichi Hirakawaによる初公演、そしてLINE CUBE SHIBUYAのステージで行なわれたHiroaki Umedaによる「Median」の日本初公演など、広範囲に渡り日本での初お披露目が実験的に繰り広げられました。

MUTEK.JPにとっての2019年の挑戦は、人工知能と機械学習(マシンラーニング)、音楽とサウンドの創造性への応用の領域に渡るアーティスト、キュレーター、リサーチャー、エンジニアのグループで行った、AI Music Labです。オープンコールという形態で、次世代の新たな才能の発掘、育成支援することを目的として、世界中から集まった15組の参加者と共に機械学習、人工知能AIについて取組み、我々の想像を遥かに超える期待以上の結果となりました。

新たな試みには、多くのリスクが伴いますが、フェスティバルに参加するアーティストとオーディエンスの対話を大切にし、アート、音楽、科学、テクノロジーが交差する実験のためのプラットフォームの確立が提供できました。

新たな形の物理的なチャネリング

昨年のエディションでは、潜在意識的に新たな身体性の作品を明らかにした提案でした。スクリーンから映し出させるデジタルの探究に焦点を当てた2019年は、数々のパフォーマンス・芸術的プレゼンテーションは、新しい形の美学という面において際立つ形となりました。

Akiko Nakayamaによるインクの模様と流動性を描くパフォーマンス・インスタレーション、NORによる「dyebirth(ダイバース)」、AI Labの参加者とインタラクション・デザインユニット「Gadara」によって考案された、自然物を利用した物理性のあるAIパフォーマンス、さらに盆栽職人Masashi Hiraoとライブプロデューサーsaskiatokyoによるコラボレーション、ミュージシャン兼フィールドレコーディングアーティストのYosi Horikawaの有機的アコースティックなどの芸術作品は、21世紀のでアートシーンの動向を一望することでしょう。

最後に

MUTEK.JPエディション4に参加頂きました、オーディエンス、サポーター、コラボレーター、画期的な芸術作品を提供して頂いた、国内外からのアーティスト、プロダクション及び運営チーム、多数のボランティア、皆様方々からの多大なるご協力、ご支援を賜りここに感謝申し上げます。

今年の5周年を乞うご期待ください。

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